町ぐるみでタマムシの飼育・繁殖・観察・研究を目指す
タマムシ採集でお世話になった民宿のオーナー。自分の採集以外にも取材させていただいたのだが、残念ながら発表する機会がなかったので、この場を借りて紹介させていただきます。
※発表を予定していた昆虫雑誌がほぼ休刊状態になり、紹介の場所がなくなってしまったのが原因ですが
そもそも、その場所を訪ねるキッカケとなったのは吉田玉虫の会といういかにもタマムシに結び付く名前だった。元々、タマムシが多く棲息する場所ではあるのだが、地元の人にとっては、その希少価値には特に気を使ってはいなかった。そんな状況で、タマムシに特化するようになったのは、子供たちの言葉だった。
子供たちが求めているのはカブトムシであり、クワガタ。それは今も昔も変わらない、と思っていたのだが、民宿を訪れた子供にとっては、ショップでも目にするクワガタやカブトムシではなく、黄金色に輝くタマムシを初めて見ることで、興味はすっかり移ってしまう。「カブトムシでも、クワガタでもなく、ぼくはタマムシがほしい」それは純粋な言葉(つまり何も考えていない)、それが民宿のオーナーであり、後の玉虫の会、会長さんがタマムシの繁殖を目指した理由だった。

秩父地方では子供が生まれたときに桐を植え、嫁ぐときに成長した桐で箪笥を作り、抽斗にタマムシを入れるという伝統があったらしい。娘が幸せになってほしいと云う親の願いが込められたタマムシは、吉丁虫とよばれ縁起のいい虫とされたていた。そんな馴染みのあった虫だったが、気がつくと、その姿を身近で見る機会はすっかり減ってしまった。オーナーは一念発起し、一人で玉虫の会を発足する。






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