ゼブラダコ亡き後の第2サブタンク
シマジロウが最初に育ったのは、メインタンク、オーバーフロー方式のサブタンク(メインタンクの下)以外に取り付けた第3タンク(第2サブタンク)だった。このタンクは内壁が緩いR(アール)のあるアクリル製の小型タンクだった。これは特注ではあるものの当時はクラゲ用タンクとして販売されていた。メインのオーバーフローセットから常に濾過された海水を供給するシステムをとり、排水は独自のオーバフローと言う仕組みだった。これにより、海水はメインタンクと同じ状態をキープしていた。
クラゲ用のタンクだが、最初に飼育したのはゼブラダコだったのは、観察に適した形態だからだった。ゼブラオクトパスはすぐに大きくなったので、オーバーフローの濾過を担う、サブタンクへ移されたので、しばらくは誰もいないタンクとなっていたのだが、そこで飼育を始めたのはクラゲではなく、タツノオトシゴだった。タツノオトシゴも海水魚ならではの特異な形状と生活様式を持っており、やはり飼育欲の高い生物だ。
タツノオトシゴの最大のハードルは給餌だ。見てくれの通り、体に対して口が小さい。吻などと呼ばれ、大きく口を空けて餌を取り込む他の海水魚とは異なる。このような仲間をプランクトンフィーダーと呼び、飼育難易度は極端に高い。以前、紹介したヤマドリを含むネズッポの仲間も、このプランクトンフィーダーの仲間で、体型や行動様式は興味深いのだが、始終生きたプランクトンを与えるとなると、水槽では不可能に近い。そのため、長期飼育は難しい。冷凍のブラインシュリンプを食べてくれる個体もいるのだが、それでも1年も飼育した記憶がない。水流が緩やかで、自然とプランクトン(アミエビなど)が居つく環境が最低限必要であり、繁殖、累代飼育となるとかなりのハードルになるだろう。それでも機会があれば挑戦したくなる。のんびりとした、あの穏やかな様子と、どこか好々爺な表情に癒されてしまう。



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