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虫を彫る仏師 第3話 「虫然の失言百言」

虫を慈しむ造型家

虫然の失言百言 芹沢木黙(せいざわもくもく)から杜虫然(もりちゅうぜん)

 仏師としての地位を築いた虫然氏が虫の木彫を始めるのは、きっかけがあった。地元の山麓に昆虫博物館が設立されるという計画だ。そこに展示する昆虫の彫刻を作るという仕事の話が持ち上がったのだ。
 そこで一念発起した虫然氏、先輩仏師の勧めもあり、虫の木彫に適した寄木造りを学ぶために、京都の仏師の元へ修行に出掛ける。しかし寄木造りを習得して帰って来たものの、いつの間にか昆虫博物館の計画は頓挫していた。夢破れ、挫折したものの、虫然氏は今回紹介するような木彫昆虫への造形を始める。名前も芹沢木黙せりざわもくもくから、虫という字の入った杜虫然もりちゅうぜんに変える。いよいよ本格始動となったのだが、2006年、志半ばで他界してしまう。享年58歳である。

 自然を慈しみ、小さなことを気にしない豪放磊落ごうほうらいらくな性格は誰からも愛されたが、その破天荒な人生は誰にも真似できない。いかにも芸術家のイメージではある。既に亡くなっているのが本当に残念だが、この虫然氏、数々の名言を残している。詳しくは「虫然の失言百言しつげんひゃくげん」(日本文学館出版)に書かれているので、興味のある方は探してみてほしい。まだ購入できるかは、断言できないが、これを書いている時点ではamazonに多少の在庫はあったはず。


プロフィール
1948年 群馬県前橋市生まれ
1967年 水木しげる氏アシスタント、細密画を修行
1969年 京都仏師修行
1969年 毎日現代美術展 出展
1999年 アメリカン・クラブ ギャラリー 個展
2007年より @ギャラリーふくろう@主宰

杜虫然氏のホームページ

仏師 杜虫然氏のホームページ

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