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海水魚の飼育 変身ダコ飼育顛末②

生き物の記録

タコは頭のいい生物

 それより遥かに小さい今回の個体。逃げ出すチャンスは無限大。変身や脱走もそうだが、タコは結構「頭がいい」生物と言われている。芸をするわけではないが、ガラス瓶に餌を入れふたを閉めておくと、自分でふたを回して開けて、中の餌をとるという映像をよく見る。ふたを回して開けるという行為は、相当知的レベルが高いのだが、タコはいわゆる脳を持っていない。神経が集まっているだけである(原始的な脳とも呼ばれる)。それでも、このような知性がなぜ備わっているのだろうか。以前読んだ本で、最も知性のある動物が何故人間なのかというと――といっても、人間自身が言っていることだが――「脳の大きさはもちろん、二足歩行であり、手が使え、目が他の機能より優れていて、言葉を使えるからだ」と書かれていた。脳の大きさでいえば、人間とイルカはほぼ同じだが、人間の知性だけ進化したのは、イルカは他の機能が進化し、特に手のないことが影響しているらしい。同じようなことが犬にも言える。また、類人猿は手を持ってはいたが、声帯が劣っていたために人間のような進化ができなかったという。タコは、確かに脳はないが、人間以上に自由に使える便利な手(足?)があることが、色々な知的行為ができる要因であるのだろう。長く伸縮する足に、摑んだものを固定する吸盤がそろっているのだから器用なのも理解できる。これで脳が発達していたら、最強になったかもしれない。学術的には、視覚と脳の機能が脊椎動物に劣らぬ程よく発達しているのがタコで、図形を識別するなど学習・記憶能力を持っているとのこと。昔のSF映画の宇宙人がタコに似ているのも、この知性から来ているのだろうか、というのは考えすぎか。ただ、それだけ「頭がいい」生物なのである。

ゼブラダコも頭がいいのだろうか。頭部は普通のタコよりもかなり小さいが、頭の良さは違うところにある

 タコ飼育の上で問題となってくるのが、なんと言っても脱走と餌。
まず脱走だが、タコはもっと大きな固体でも、ほんの1cmの隙間があれば逃げ出してしまうのだ。かつてテナガダコを飼育していたときに、水槽と蓋の隙間2cmほどしかなくても、何度も脱走してしまい、大捕り物になった記憶がある。今回の個体よりも遥かに大きく、頭部(胴)の長さが10cm、直径も5cmはあったのに、いったいどうやって逃げたのかわからないが、何度も脱走を経験した。

飼育下のゼブラオクトパス。一日眺めていられるほど面白い形態

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