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原型師が創る昆虫フィギュアの世界(8)

虫を慈しむ造型家

難易度の高い昆虫フィギュア

 かつては動物フィギュアで昆虫は意外と少なかった。多いのは爬虫類、両生類、そして魚類。
 虫類や昆虫類が少ない理由は2つある。1つは、昆虫には標本があるということ。昆虫は他の生物と違い、標本が成体のまま長期間保存することが可能。これは昆虫を含めた節足動物が外骨格という骨格構造に特徴があるからだ。皮膚が骨格であるために、死亡後も大きな形状変化もなく、保存できる。この標本があるため、昆虫フィギュアの需要は少ない、というのが最大の理由だったが、それを逆手にとって無機質さがリアリティとなってはいる。
 もう一つの理由は、今となっては解決しているが、昆虫にとって重要な脚の製作の難しさが挙げられる。製作工程でも紹介したが、複数製作するには、型と云うものが必要になる。この型から、実際の販売するフィギュアの各部品を抜く作業があるのだが、この際に昆虫の脚のような細くて複雑な構造はネックとなる。このため、リアリティを求める人たちにとっては満足できない完成品となることが多くなってしまう。原型段階では特徴的な脚を再現できても、量産後にその繊細なフォルムを望めないのが、第2の理由。ただし現在は材質が変わり、この問題もクリアしているので、多くの商品が生み出されてはいる。フィギュアの世界も日々進化しているのです。

いまでは多くの昆虫フィギュアで脚の問題は解決している

 ちょっと蛇足になるが、良く見かける爬虫類、両生類、魚類で、最も作りやすいのは両生類とのこと。爬虫類や魚類よりも、表面が滑らかで、皮膚の作りこみがいらない、というのが理由。魚類は鱗がネックに。爬虫類の皮膚も鱗があり、乾燥しているため、両生類に比べると精巧に仕上げるためには細かい作業が必要。思わず、なるほどと膝を叩いてしまう。確かに、鳥類や哺乳類も、体毛や羽の表現には限界があろうのでしょう。

これは茂木さんと二人の造形師(小池徹弥氏、山崎シゲル氏)共作のカエル

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